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トレーニングによる心肺機能の向上

こんにちは。

 

今回は、運動時における心肺機能についてご紹介します。

レーニングをすることにより心臓や血管にどのような変化が

現れるのかまとめていきたいと思います。

 

 

1.運動時の心臓の働き

心臓の拍動数のことを心拍数(heart rate)、

心臓1回の拍動で送り出させる血液量を1回拍出量 (stroke volume)

と言います。

 

心拍数は1分間あたりの拍動数で表されます。

1分間に心臓が送り出す血液量は、心拍出量と呼ばれ

1回拍出量と心拍数の積で表すことができます。

 

心拍数は自律神経によって調節されており、交感神経の働きによって高まり、

副交感神経の働きによって低下します。

 

安静時で、心拍数は60~80拍/分、1回拍出量は70~80mLであるから、

心拍出量は4200~6400mLとなります。

 

運動を行うと、細胞などに対して多くの酸素が必要となるため、心拍出量は増加します。

 

この時、心拍数はほぼ直線的に増加し、最大180~200拍/分に達します。

 

しかし、1回拍出量は110~120mL以上には増加しません。

 

2.毛細血管

心臓から伸びる血管は、筋肉に達する時にはその直径は30μmほどで、この太さの血管を細動脈と言います。

 

細動脈は毛細血管と呼ばれるさらに細い血管へと繋がり、これらの血管は筋繊維を縫うように走っています。

 

毛細血管の太さは6~8μmほどで、赤血球がやっと1個通れるほどであります。

 

この毛細血管が筋繊維の代謝に直接関わっており、酸素の供給、あるいは筋で発生した熱や老廃物の除去を行っています。

 

筋繊維に到達した動脈血には、1mLあたり、0.20mLの酸素が含まれています。

それに対して、毛細血管を介して出てくる静脈血には安静時で0.16mLの酸素が含まれていることから、筋繊維で0.04mLの酸素が使われています。

 

より強度の高い運動を行うと、筋繊維がより多くの酸素を消費するために、酸素の消費量は安静時のおよそ4倍程度の0.16mLになることもあります。

 

3.トレーニングによる変化

これまでは安静時における心臓の働きや毛細血管の状態を考察してきました。

ここからは、それらがトレーニングによってどのように変化するのかまとめていきます。

 

運動を普段行なっていない人の、最大1回拍出量は110~120mLほどであるが、

レーニングを行なっている競技者などでは、150~170mLで、人によっては200mL近い値を示すこともあります。

 

運動を定期的に行なっている人の心臓の大きさを比較すると、一般の人よりもその容積が大きいことがわかっています。

 

これは、トレーニングにより心臓が肥大したためで、最大1回拍出量が多いのも、心臓が肥大し収縮能力が高まったことも1つの原因でもあります。

 

さらに、安静時の1回拍出量もトレーニングをしている人の方がしていない人よりも大きい。

 

逆に、心拍数は40拍/分と低い傾向にあり、これは1回拍出量の関係から心拍数が減少した方が心臓のポンプ機能の効率が増すためです。

 

大きくなった心臓に十分な量の血液が満たされるまで待ってから収縮し、1回拍出量を大きくした方が結果的に心拍出量が増加するということです。

 

また、毛細血管は身体活動レベルに影響を受けやすという特徴があり、トレーニングをすることによりその数は変化します。

8週間の持久性トレーニングが脚筋における毛細血管数に及ぼす影響を実験した研究では、トレーニング前後でおよそ20%の増加が見られました。

 

これは、筋肉がトレーニング前と比べより多くの酸素の供給を受けることができるようになったことを示しています。

 

 

このようにトレーニングをすることにより心肺機能が向上する仕組みがわかったと思います。

 

心肺機能が向上すると、日常生活でも疲れにくくなり、より効率的に生活をしていくことが可能となります!

 

早め早めの対策、今のうちから運動習慣を身につけていきましょう!

 

今回は以上となります。