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体温調節のしくみ(1)

こんにちは。

 

運動をすると、体が熱くなったり、汗をかいたりしますよね。

 

 

そんな身体の中の体温調整の仕組みについてご紹介します。

 

今回は、その中でも熱の移動の方法と身体の中で起きている体温調整の方法をご紹介します!

 

 

1.熱の移動

体温は放出する熱量と蓄積する熱量のバランスによって保たれており、

放出する熱量が蓄積する熱量を上回れば体温は下がり、逆に蓄積する熱量が放出する熱量を上回れば体温は上がります。

 

このとき、熱の移動の仕方には、伝導、対流、輻射、蒸発の4つがあります。

 

伝導とは、隣り合う組織を熱が伝わる現象です。

 

対流とは、風や水によって熱が移動することで、風が体に当たって皮膚が冷やされたり、プールに入ると身体が冷えるといったことです。

 

また、熱は赤外線という形で空間を移動しています。これを輻射と呼びます。

皮膚からは赤外線という形で熱が放出されており、太陽光を浴びると暖かく感じるのも輻射の効果によるものです。

 

伝導、対流、輻射が放出と蓄積のどちらにも作用する一方で、熱の放出のみを行うのが蒸発です。

 

運動を行ったり、暑いところにいると汗をかきますが、このとき汗が蒸発し気化熱が奪われるときに皮膚の熱を放出します。

 

運動時には、発汗による熱の放出が全体の80%をしめることから、しっかりと水分補給をして汗をかきやすい状態にしておくことが体温調整をうまく行うポイントとなりそうです。

 

2.体温調節の仕組み

体温調節は、脳の視床下部にある体温調節中枢で行われています。

 

体内には、温度受容器と呼ばれる温度を感知する器官があり、これには中枢性と末梢性のものも2種類があります。

 

中枢性温度受容器は、視床下部に存在し、脳を循環する血液の温度を0.01℃の変化で感知することができる。

 

末梢性温度受容器は、身体を取り巻く環境の温度を感知し、暑さや寒さを感じたときに体温調節中枢へとインパルスを発します。

 

よって、これらの受容器が得た情報から体温調節中枢が体温を一定に保つように各器官へと指令を出します。

 

体温の変化を処理する器官は、汗腺、血管、骨格筋、内分泌腺である。

 

皮膚温、血液の温度が上昇すると、体温調節中枢からの指令により、全身におよそ230万個あると言われている汗腺から汗が分泌されます。

 

また、皮膚の血管が拡張することにより、通常身体全体の5%が表層の血管を流れているのに対し、およそ20%が表層の血管を流れるようになり、より深部の熱がより表層へと運搬されるのです。

 

また、体温調節においては、骨格筋の緊張度を調節し、筋に震えを起こさせ、体温を調節しようとします。

 

寒いときに身体が震えるのは体温を維持しようとし、筋が震えているからです。

 

さらに、体温調節中枢は甲状腺ホルモンやカテコールアミンなど、代謝を促進するホルモンの分泌を促すので、熱の産生へと繋がります。

 

 

このような形で私たちの身体の中では、自然と体温調整が行われているのです。

 

次回以降は、運動時における体温調整の方法や熱中症との関係性をまとめていきたいと思います!

 

今回は以上となります!