アルコール量を減らす方法!?
こんにちは。
今回は、アルコール量を減らす方法について記憶再固定を阻害することによる研究をご紹介してきます。
今回紹介する論文はこちら!
1.アルコールを飲む量が増える原因
アルコールをたくさん飲む方はどうして飲む量が増えてしまうのでしょうか?
1つの原因として、アルコールを飲んでいる時の楽しい記憶を脳が覚えているからということが考えられます。
アルコールを飲むと、気分が高揚し楽しくなってしまいます。その時の記憶を脳が覚えているから1度アルコールを飲み始めると飲む量が多くなってしまうのです。
2.記憶
それではこの脳の記憶はどのようにして行われているのか。
何度も繰り返し起こる事象については、脳が長期記憶として保存しています。
そして、再び同じことが起こるとその長期記憶が呼び起こされます。
この時に、重要となるので記憶の再固定化です。
再固定化は記憶を維持するプロセスで、1度呼び起こされた長期記憶は一次的に不安定な状態となり、新しい情報を取り込みます。そして、不安定化した記憶は、N-メチルD-アスパラギン酸受容体経路によって新しい形の記憶として安定化するのです。
そのため、1度不安定化した記憶を安定化しないように阻害することができれば、長期記憶を忘れることができるかもしれないのです。
3.ケタミンを用いた実験
ケタミンは麻酔などに用いられる薬で、記憶を安定化させるN-メチルD-アスパラギン酸受容体を阻害することが知られています。
そのため、記憶の再固定化が行われている時にケタミンを投与すれば、安定化を阻害することができるのではないかと考え、実験が行われました。
実験は、90名の被験者に対して行われ、
60人に対してビールの画像を見せて、アルコールに関する記憶を想起させ、ケタミンを30人に、生理食塩水を30人に注射した。
残りの30人には、記憶の想起をさせずにケタミンを注射した。
すると、アルコールの記憶の想起を行いケタミンを注射したグループは、1週間の飲酒日数が減り、アルコール摂取量も減少したのです。
このことから、ケタミンと記憶の想起の組み合わせは、ケタミンだけを投与するグループよりも飲酒量を大きく減らすことができたのです。
4.まとめ
今回の実験では、日本では麻酔などに用いられているケタミンをアルコールに関する記憶を想起させてから投与すると、飲酒量を減少することができたという実験です。
アルコール依存は、社会問題にもなっているため、社会全体で取り組まなければいけない問題となっています。
会社でのストレスや人間関係、そのほかストレス社会でアルコール依存してしまう方も多いです。
日本ではケタミンは、医薬品として指定されているため、医者からの処方がなければ飲むことはできませんので、ご注意ください。
今回は以上となります!